【授業】授業びらきで「コウガイビル」
▼「授業びらき」の昨日は雨だった。久しぶりの雨は、少しあたたかい雨だった。
やや緊張(かなりかな(^_^;))していた。と言うより興奮していたと言った方がいいかも知れない。「あれも言いたい」
「これも言わねば…」それらばかりが先行していた。
何が、どこまで伝わったかは疑問。少し時間がたてば明らかになるかも知れない。
▼最初に、「移行期の中3の理科」であることを構想にしたがって、教科書+補助教材を使いながら説明した。
この春卒業した先輩の「中3の理科」とはちがうことを話す。お父さんやお母さんの学習した「中3の理科」に近い内容だとも。
「中3の理科」は、「受験の理科」をも含むとも。
義務教育、最終ラウンドの理科である。これまでの総仕上げ、これからの理科(サイエンス)とのつきあいも決定づけるところもあるとも。ちょっとオーバーかも知れないが。
▼「物理」「化学」「生物」「地学」の領域ごとに、コンテンツを紹介する。
「運動」「エネルギー」「酸化・還元」「イオン」「細胞」「生殖」「遺伝」「DNA」「宇宙」…。
生物の領域に話が及んだとき、いよいよ出番である。きゃつをふたつとも、ナイロン袋に入れたままもっていっていた。
なんという偶然だろう。きゃつ「コウガイビル」をグランド捕獲してから、ちょうど5ヶ月目の日なのである。
『けったいな生き物が…』とソフト部の生徒が教えてくれたのは、昨年の11月14日の朝のこと。
それから、5ヶ月。ずっと同じこのナイロン袋のなかにいる。
何もエサは与えていない。水をときどき換えただけだ。でも生き続けている。
▼この5ヶ月のあいだに、コウガイビルのことについていろんなことを知った。
これがヤマビルの仲間でなく「コウガイビル」という生き物であること。口しかなく肛門はないこと。「ちくわ」ではないのだ。
そして、これがプラナリアの仲間で「陸生プラナリア」とよばれていること。そして、昔の文献にも登場していたこと。
あのダーウィンも『ビーグル号航海記』に観察記録を残していたこと。
どうやらプラナリアと同様に「再生」能力があるらしいこと。
「KGB」(コウガイビルの略らしい)興味をもっている人も多くいるらしいこと。
一挙にまくしたてた。この5ヶ月間のことを。
▼いろんなことを知った。でも「コウガイビル」の「ふしぎ!?」はつづく。
そうなんだ。この「コウガイビル」が教えてくれる。
この自然界で、知っていること・わかっていることなんてほんのわずかなこと。
知っているつもり、わかっているつもりになっているだけなんだ。
自然界には、まだまだわからないこと、不思議なこといっぱいなんだ。
この不思議の謎解きこそが「理科」、未来をも切り拓く「理科」なんだ。
さあ、一年間の「理科」の出発。
▼授業が終わったあと。しげしげと「コウガイビル」をながめに来る生徒。
「昔、プラナリア飼っていたことあるんや」と言ってきた生徒もいた。(どこかの「科学の祭典」で手に入れたらしい。)
このナイロン袋から、彼が消えるのはいつか。できれば、その瞬間を観察したいものだ。
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コメント
はじめまして
以前よりたまに遊びに来てました。
実は一回だけこの気色悪い「KGB」に出会った事があります。
僕もあれから調べてみてどうやら陸棲のプラナリアみたいなもんでえさは肉食、つまりミミズやナメクジを倒して食べるそうです。
しかし5ヶ月も生きているのは凄いのでは?
乾燥に弱く大抵すぐ死んじゃうそうです。
投稿: じゅんいち | 2009/04/18 11:00
じゅんさん
ときどき来てくださっているんですか。
ありがとうございます。<(_ _)>
「コウガイビル」みられたことあるんですね。
すごいですね。
私は、長く生きていますが、この彼(彼女)とであったのがはじめてです。
今いちばんの不思議は、何のエサもなく5ヶ月も生き続けているかです。?(゚_。)?(。_゚)?
投稿: 楠田純一 | 2009/04/19 06:50