【推薦本】武田康男著『図解 天気・気象のしくみ』
▼天気の不思議を楽しむ日々が続いている。飽きることはない。
何しろ日々変わるのだから、ひとつの不思議を追いかけていたら、次の不思議が登場する。
それが面白い。
変わるだけでない、その変化のなかにルールをみつけようとする。ルールが見つかったら、そのルールを使ってみて、「天気予報」をやってみる。あたっても、はずれても楽しい。
▼この楽しさ、おもしろさを何倍にも、何十倍にもしてくれる本が出た。
■『知的にひらめく!図解・空の不思議を科学する 天気・気象のしくみ』(武田康男著 永岡書店)
そうだ、あの南極の武田さんの新刊である。
私は、理科の授業の
最高の教科書は自然!
最高の指導書は子ども!
と言い続けている。
これを翻すつもりはない。しかし、この本は私にとっての最高の「指導書」になるかも知れないと、すこしだけ読んだだけでそう思えてきた。
▼「雲見」からはじめる「天気・気象」の授業をすすめている。授業をすすめながら、天気の不思議・謎解きをいちばん楽しんでいるのは私自身かもしれない。
この本には、天気の不思議・謎解きのカギになることがいっぱい詰まっている。誰もがいちばん知りたがることが、ズバリ書いてある。まったくその「ツボ」を心得ているのである。
なぜなら、著者は授業をやっているからである。
ひとが天気・気象でなにに興味をもち、どんな「不思議」(科学のタネ)をもっているかをしっているからだ。
例えばこうだ。
「ナゼ雲から雨がふるのか」
「雨はホントにしずく型か」
「降水確率ってナニモノ?」
などなど
授業中や、授業が終わったあと生徒が質問に来そうなことばかりだ。
ひよっとしたら、ほんとうに質問者がいたのかも知れない。
▼文庫版でコンパクト、安価である。しかし、中身はいっぱい詰まっている。
中学生でもわかるように平易な文章でかかれている。なおかつ、高いレベルの科学が語られている。
誰もが幼いころ抱いたあの「天気の不思議」
もう一度ひっぱりだしてきて、その不思議、追求してみませんか。
それは、最新科学につながる。
▼最初の「知恵とくふうがギッシリ 気象のフシギを科学した先人たち」を読むだけでも、この本の価値がある。
「南極の自然」(武田康男が撮影&コメント)で
南極の空をリアルタイムに毎日見せてもらいながら、あわせてこの本で「天気の科学」を楽しんでいこう。
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