« 【授業】上がるとザアザア…(3) | トップページ | 【授業】気圧と風 »

【授業】これぞ「新・新マグデブルク半球」だ!

Dscf9654▼もどってきた「冬」の空は、透明感を増しているように思えた。雲ってこんなにきれいだったのかと、あらためて感動するばかりである。廊下を歩いていても、窓の外が気になってしかたない。
美術館に行って、閉館時間を前にして、せっかくの絵画を観ずに急ぎ足で通り過ぎる人のように廊下を生徒が通り過ぎる。つい声をかけて、「空があんなきれいだよ!」と言いたくなってしまう。
 「雲見」をして、デジカメを空に向けていると、声をかけてくる生徒も現れてきた。よし、これでいこうと思う。
▼授業を一気にすすめようとしている。今度は、いよいよ「天気は気圧だ!」の授業だ。
以前の授業プランでは、こちらの方を先にもってきていた。
 大気の存在をいちばん先にやり、そしてその大気の海の底に、我々は住んでいる。だから、この大気の重みから生ずる大気圧を知ることは、天気の変化のキーになる。あたりまえのことだ。
▼前回(と言っても10年以上前のこと(^_^;))、トリチェリーの水銀柱の実験から話をはじめ、4つの実験で「大気圧」の大きさを実感させようとしている。
 今回は、そのものズバリ、「大気圧と天気」の関係を示す。バロメーターの話から入った。
教室に例の「晴雨予報グラス」持ち込むところからはじめた。
授業がはじまる前から、
「今度は、なにそれ?」
「きれいやね」
と興味津々だ。
ひとしきり、この「晴雨予報グラス」の話をする。
大気圧そのものについては、一年生のときに学習しているということなので、このような導入にした。
▼それでも、やっぱり不思議なことは、何度考えても不思議なんであり、ここでも一通り、大気圧の単位、大きさを話した後、もう一度「大気の海の底にくらしていることを実感しておこう」と。
吸盤を見せた、今回の吸盤は、けっこう高級な台所などで使われているものでやってみた。
そして、例の「ガラス屋」さんの吸盤に行った。
大事大事にしてきた、曽我部さんから譲ってもらった吸盤は取っ手のところが壊れていた。あまり面白いので使いすぎたかな。どうしても新しいものがほしかった。機会あるごとに、ガラス屋に聞いてみた。でも、同じようなものを入手することができなかった。
 こんなときこそ【入手DB】を使おうと、自分のWebページにこんなもの知りませんか。と記事をあげていた。
そしたら、何年も後に、メールをくださる方があった。
そして、「こんなものがあるよ」と教えてくださった。これだ!!
 ガラス屋さんではなかったが、よりパワーアップしたものだ。さっそく2個セットで手に入れた。
Dscf9682▼まずは、以前と同じように使った。黒板に張り付けて、その強力さをアピールした。やっぱり喜んでくれた。
机も軽々と持ち上げることができる。そりゅそうだ、その道のプロが使っているもの、半端なものではない。
そこがいい。\(^O^)/
2個セットで手に入れていたのが幸いした。これで「マグデブルク半球」の実験はできないかとやってみた。
できた、それもいとも簡単に
2個をあわせて、あいだの空気をなくする。一発てできる、時間もかからない、以前のような真空ポンプも必要ない。簡単に、原理もまるわかりで、目の前でやれる。はずすときも簡単!ボタンちょっとさわってあいだに空気をいれてやればいいだけ。
私は、これを「新・新マグデブルク半球」と名付けよう。
「マグデブルク半球」の実験を最初にやったのは、マグデブルクの市長だったゲーリケだ。1967年、今から350年以上前の話だ。
これは大きな「見せ物」したわけだから、誰もが興味を示すことにちがいない。当然のごとく、すぐれた教材となった。私も、旧式の真空ポンプを動かして、これをやった。時間はかかったが、やっぱり大受けなので、ずっとやってきた。
 そして、次は「新マグデブルク半球」である。真空ポンプを使わずに、台所にボールを2個使って、なかでアルコールを燃やしてやるものである。パッキンとして、ぬらしたボール紙を使った。これはすごいアイデアだった。簡単にできる、それも身の回りにあるものだけを使って、「マグデブルク半球」と呼ぶにふさわしいものだった。たしか最初の開発者は、たしか盛口襄先生ではなかったかな。
▼したがって、私の「教材史」のなかでは、これは「新・新マグデブルク半球」なのである。
3K1Aの法則も、3Hの法則も満足した
究極のマグデブルク半球なんだ。

|

« 【授業】上がるとザアザア…(3) | トップページ | 【授業】気圧と風 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【授業】これぞ「新・新マグデブルク半球」だ!:

« 【授業】上がるとザアザア…(3) | トップページ | 【授業】気圧と風 »