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【授業】化学反応式で「マクロ」と「ミクロ」をつなぐ

▼久しぶりの授業である。
なんか、ワクワクしてくる。この感覚が大好きだ。なぜか問われると答えに窮する。
しかし、表現しがたい喜びがある。
その道の人たちがステージに立つようなものだろうか。
そんな格好いいものではないかも知れないが。
どんな営みにも、「ハレ」と「ケ」の世界があるとするなら
私にとっては、授業こそ「ハレ」の世界なんである。
そんなりっぱな授業をやっているわけではないが、いちばん大事に考えているものであることはまちがいない。
▼テスト返しをして、残りの時間は、30分もない。
その中での授業だ。
内容は、「化学反応式」である。
これも同じことである。
Kagakumoku
「原子」が見えていたら、意図も簡単な話だ。
あとは、算数の世界だ。
例の原子モデルを黒板に貼り付けながら
「水の電気分解」の化学反応式を手順を踏みながら完成させた。
これで終わりでない。
繰り返し、繰り返しこれからは「化学反応式」で考えていくのである。
「化学式」を使って、思考し実験をしたと同じように、
これを使って、これから物質の世界を探険していくのである。
▼前単元の「動物の世界」では、
●動物の不思議・謎解きの第一方程式「食べる」
とした。
「物質の世界」では
この「化学反応式」こそすべてである。同様に表現するならば
●物質の世界・化学の世界の不思議・謎解きの方程式は「化学反応式」
ちょっとレベルがちがうのかも知れない。
ここにすべてが含まれてしまっている。
原子論的物質観も
質量保存の法則も
定比例の法則も
倍数比例の法則

なにもかもが。
これを使うことによって、物質の世界の「マクロ」と「ミクロ」をつなぐのである。
▼このあたりのことは、オストワルドも例の『化学の学校』で繰り返し言っている。
やっぱりそうだ。
この100年間、初等化学教育は『化学の学校』をなぞってきたのだ。!!
これからも、きっと…。
 ところで気になることがある。
 オストワルドが『化学の学校』で使っているのは、「化学反応式」ではなく「化学方程式」 の用語なんである。これは、訳の問題だろうか。
 どうも、そうではなさそうだ。
 「方程式」だからこそ、意味をもってくるのである。
 憶えるのでなく、使うためのものなんだ。
そのあたりをズバリ指摘しておられる先生がおられる。
【理科の部屋】でお世話になっている伊笠摩耶さんこと山崎昶先生だ。
近著『基礎から考える化学』(山崎昶著 化学同人 2008.9.10)
の第4章「正しくは化学方程式」に詳しくのべておられる。
 きわめて納得いく話なんである。
 

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