今年読んだ本「ベスト○!?」(続)
▼12月23日、今日は私の「インターネット記念日」。
私がはじめて「インターネット」を見せてもらった日だ。渡部義弥さんに、その年に話題になっていた「現物」を見せてもらったのだ。
それが、1995年の今日だ。
この年の同じく師走、日本のインターネットの父と言われる村井純の『インターネット』(岩波新書1995.11.30)側題となっていた。彼はこの著で言った。
この著の最後にイソップ物語「北風と太陽」をたとえにあげてこう言った。
「太陽」のやりかたというのが、インターネットのいままでの発展を支えてきたのではないか、これからもインターネットはそのような形で発展していくのではないかと思っています。(P206)
それから、13年が過ぎた。インターネットは急激な進化をとげた。時代はWeb2.0時代からWeb3.0時代へと向かっているのかも知れない。
いつも、ゆっくりと時代についていく私には、最先端の道はわからない。でもわかることがある。
13年前の
村井純の「太陽路線」は、時代を超えて有効である。これからも…
それがWebの本質そのものだから。
▼13年前に出会った本を語りだしたところで、思い出した。
今年であった本のことを語りはじめていたのだ。その続きをあげていく。
前に『知的生産の技術』をあげた。それに関連して次はこれだ。
【2】『佐藤可士和の超整理術』(佐藤可士和著 日本経済新聞社 2007.9.14)
私には耳慣れない「アートディレクター」「クリエイティブディレクター」の肩書きをもつ彼。私は、新聞の記事で一枚の写真(この本の扉にある)を見て、なにか感じるものがあってこの本を手に入れた。
実に面白い、グングンとこの人の世界に引き込まれるのを感じた。最初は、自分の日々の営みとあまり関係なさそうに思えたが、それはまったくちがっていた。究極は日々の生活のなかでの「思考の整理」である。
それへのプロセスが書いてある。職種なんて関係ない。
思考をするすべての人々に関係ある提案である。私は、この本のなかにある「整理のプロセス」をスキャナーで読み込み、PDFファィルにし、パソコンのディスクトップに貼り付けている。プリントアウトとし、手帳挟みこんだり、家と職場にプリントアウトしたものをよく見えるところにおいている。
そして、ちょっと仕事の区切りのときにこれに目をやるようにしている。
▼こんな調子では、新しい年がきてしまう。ここで「整理のプロセス」に目をやる。(^^)V
【3】『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著 講談社現代新書 2007.5.20)
私がこの本を手にしたとき、すでにこの本はベストセラーとなっていた。へそ曲がりな私は、この本を寝かしままにしていた。2学期、授業が【動物の世界】に入る頃だった。読み始めたのは…。
「なんだ、これは…面白すぎる」、帯に書いてある「読み始めたら止まらない」は、くやしいけどホントだった。
著者がくり返し語る、生命の姿。『動的平衡』!、これぞ生命科学のキーワード。
なんで今まで読まなかったのだろう。この人の書いたものを。(・_・)......ン?
自分でも不思議なぐらいだ。文体にも惹きつけられる、これもうわさ通りである。
心象風景の描写はいつしか、「科学」にいきつく。そこで語られる科学は、私たちのぞむ「等身大の科学」。
合点することばかりだ。
続けさまに、この人の世界に引き込まれていった。
◆『生命と食』(岩波ブックレット 2008.8.6)
◆『できそこないの男たち』(福岡伸一著 光文社新書 2008.10.20)
近著。この本からは、この人のフーレズを使わせてもらって
授業で『人間は考えるちくわである』という言葉まで造らせてもらった。深謝。
◆『プリオン説はほんとうか?』(ブルーバックス)
◆『もう牛を食べても安心か』(文春新書)
も買い込んだ。今は、まだ寝かせている。
今読んでいるのは
◆『ロハスの思考』(ソトコト新書 2006.5.20)
である。これもまた、私をあらたな世界につれていってくれている。
2008年 今、福岡伸一は、私のなかでは「ときの人」なんである。
まだ つづく。
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