今年読んだ本「ベスト○!?」(完)
▼昨日は2学期最後の日だった。終業式をやった。
この日の朝も、朝焼けがきれいだった。どんな冬休みが待ち受けているのだろう。
多忙感のなかにも、わくわく感があるのは生徒だけではない、私たちも同様である。
「終わり」のときには
いつもきまってこの歌が心に浮かぶ。ながいあいだに、心に染みついて「職業病」のようなもの
「ひとつのこと」
▼まずは、「ひとつのこと」を完了させてしまおう。
今年読んだ本の話だ。
【5】『クマムシを飼うには』(鈴木忠・森山和道著 地人書館 2008.7.30)
これは最高に面白かった。いや過去形では語れない、終わっていないからである。
言いかえる。「今、最高に面白い」それがこの本だ。
今年いちばんわくわくしながら読んだ本がこれだ。
もちろん『クマムシ?!小さな怪物』(鈴木忠著 岩波書店 2006.8.4)はセットで面白い。
私は、紀の国オフに向かう車中で、むさぼるようにこの本に夢中であった。
「クマムシ」と「熊楠」なにも、語呂合わせを楽しんでいたわけではないが、私のなかではつながっていたのだ。
いろんなことが重なっていた。
私は、夏休みに「これからの理科の「自由研究」の研究」をやっていた。
「研究」はこれできまりだ!!と思った。「クマムシ」への興味もさることながら、それ以上にこの本著者に興味があった。面白いと思った。
子どもたちの「自由研究」の未来を考えながら、結局は大人も含めた究極の「研究」のことを考えていた。
そのときに出会ったのがこの本。そして、なんと著者は、我らが森山和道さんというから、これは読まないわけにはいかないだろう。
もちろん、研究者の鈴木忠さんも面白い。彼の「研究」に向かうスタンスに惹かれた。なぜ森山さんがこだわったかがわかるような気がする。
【動物の世界】の授業のはじめに、熊楠の「粘菌」とこの「クマムシ」をもってきた。
子どもたちは、ぜひとも「クマムシ」を見たいと言った。ところが、情けないことに私は、いまだに見せていない。
それどころか、なんと私自身がまだお目にかかっていないのだ。(^_^;)
理科ハウスでは、もう「展示」まで行っているというのに。来年中にはなんとしても…。
▼5冊になったので、ここまでにしようと思ったが、やっぱりもう一冊はあげておく。
私のなかでの「出会った本」ということでは、あげておかねばならない。
Web関係だ。
【6】ウェブ時代「5つの定理」(梅田望夫著 文藝春秋 2008.3.1)
この本は、読むと言うより、ときどきめくって示唆をもらっているという本だ。
ビジョナリーたちの「言葉」が示唆的である。
この時代を創りだした人たちの「言葉」は、きわめて本質的で、ピュアなものである。
心に響き、アクションを誘発する。
「やっぱり、そうだよな」「これまちがいない」と納得する。
「名言リンク集」などというはからいがあるのもありがたい。
そのなかからひとつ。
■p.256
君たちの時間は限られている。
その時間を、他の誰かの人生を生きることで無駄遣いしてはいけない。
ドグマにとらわれてはいけない。
それでは他人の思考の結果とともに生きることになる。
他人の意見の雑音で、自分の内なる声をき消してはいけない。
最も重要なことは、君たちの心や直感に従う勇気を持つことだ。
心や直感は、君たちが本当になりたいものが何かを、
もうとうの昔に知っているものだ。
だからそれ以外のことは全て二の次でいい。── スティーブ・ジョブズ
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma─which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others・opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.──Steve Jobs
Steve Job's Commencement address at Stanford University, June 12 2005
※蛇足の蛇足になること承知で次の本(!?)もあげておく。
●ウェブブック『生きるための水が湧くような思考』(梅田望夫著)
時代はここまで進化してきていることは確かだ。
▼以上で、今年私が出会った本の話は終わりにする。
極私的な読書[覚え書き]だ。
[覚え書き]の読者は、未来の私である。
来年は、どんな本と出会えるだろう。それを考えると楽しみである。
本との出会いは、モノやコトの「発見」であるから、
そして何よりもヒトとの「出会い」であるから面白い。
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