【授業】はじめに原子ありき(1)
昨日の朝、朝の定期コースの散歩終えて職員室に座っていると、生徒が窓の外から手招きをして呼んでいる、部活動をやっていた生徒だ。『けったいないきものがいる』『かっこうがツチノコみたいなやつが…』というのである。
こんなときに限ってデジカメの調子がおかしい。(^^ゞポリポリ
とりあえず、その場所に行ってみた。生徒の言葉からもっと大きなものかと思ったら、そうではなかった。ミミズのようなものだ。少し、期待ははずれた。でも、ミミズではない。「頭が三角になって…」と言っていたようなかっこうだ、どうやらヤマピルのようだ。それにしては巨大だ、伸び縮みしながら部活動のグランドはっていたのである。
出直してナイロン袋を持ってきて捕獲した。
職員室に持ち帰り、何人かの先生で確認した。「ヤマビル」だろうと。
それにしてもなんでこの時期に、こんなところに、それも巨大なヤマビルがいたのだろう。?(゚_。)?(。_゚)?
【動物の世界】は一応おわった。しかし、この単元の授業をきっかけに、これまで以上に「いきもの」に対する興味がわいてきているとしたら、これ以上にうれしいことはない。朝のこの騒動は、ちょっとうれしかった。
▼授業は、【化学変化】に入る。これまでの自分自身の実践をみたり、教科書や新学習指導要領をみたりしながら、いろいろと授業を構想してみた。
迷いもあった、しかし決めた。
今回は、そのものズバリ「原子」から行こうと。
『はじめに原子ありき』で。
教科書では 分解→「原子」→燃焼→化合…の流れになっている。これまで、私もやってきた流れだ。
以前の授業では、一年生で「三態変化」「気体」「溶解」などがあって、二年生になって加熱したら状態変化でなく、まったく新しい物質ができた。これが化学変化だからはじめて、実は「原子」が…という流れだ。ある程度の必然から「原子」に入っていった。
今回はちがう、最初に「原子」をもってきて、一挙に原子記号、化学式をやってしまって、それを使いながら実験をやりながら考えていこうということだ。
▼「原子」は思考を助けるためのモデルの粒ではない。実在の粒子である。そこからスタートである。
最初の物質はアルミニウムとした。
一枚のアルミホイルをみせた。これを半分に分けます。と言って手で、だいたい半分に分ける。
『だいたい、このように半分にしました。半分にしてアルミニウムです。』
『これをまた分けます。』
『そして、これを分けます。』
『…』
『そして、またまたこれを分けます。』
同じことはぶつぶつ言いながらやる。生徒は、なにをやっているんだといぶかる顔。
ちょっとおかしなったんとちがうという顔。(^^ゞポリポリ
手元のアルミホイルが、生徒から見えなくなったころに
『こうして、分けていったら最後には何になるでしょう。』
『?(゚_。)?(。_゚)?』
『実は、最後は小さなアルミの粒になります。分けて、分けて、これ以上分けられないというところまでいった小さな粒』
『その小さな粒に科学者たちは、名前をつけました。ギリシャ語の分ける=トム(tom)に、できないという意味のaをつけて、これは英語でunをつけて「できない」ことを意味するのと同じですね。そして、これ以上分けることできない小さな粒を「これ以上分けることできない粒=atom(アトム)」と呼んだのです』
『日本語では、これを「原子」といいます。』
『これは恐ろしく小さいです。肉眼ではもちろん見えないです。顕微鏡でも見ることはできません、でも特殊な顕微鏡だと見えます、写真にもとれます。教科書にその写真が出ています。アルミニウムでなく、銀ですが…』
ここではじめて教科書を開ける。
『だから、このアルミホイルは、分けて分けて最後には、こんなアルミニウムの原子になるんです。』
▼原子論的物質観のはじまりである。
『ここに一円玉があります。この一円玉はちょうど1gです。うまくつくってあるでしょう。』
『この一円玉には、何個ぐらいの原子からできいるのでしょう。科学者たちが計算してくれていますね。これも教科書に…』
『すごい数ですね。このすごさ実感わかないですね。ゼロが21個ですか、自分でもノートにかいてみましょうか。』
22000000000000000000000個、(゚o゚)ゲッ!!
『何個ですか、一、十、百、千、万、十万、百万…千兆、えっその次が京でしたかね。ああダメです。実は先生は数字はダメなんです。(^^ゞポリポリ まあ、とてつもない数ですね。逆に言うと原子というのは恐ろしく小さいことでもありますね。』
▼『今度は、ここにアルミの延べ棒があります。
みんながアルミ缶の回収なんかで集めているものを、いったん融かして、こんなのにするんですね。
ところでこれは質量は1kgです。(あとで測ったら750gしかなかった(^_^;))
と言うことは、一円玉、1000個分ということになりますね。では、このアルミニウムの延べ棒には何個のアルミニウムの原子が含まれているかというと…』
『そうですね。さっきノートに書いた数にゼロをもう三つ加えたらいいですね。それだけ個ふくまれているんですね。』
『(゚o゚)ゲッ!!ますますすごい数ですね。』
(つづく)
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