« 【授業】磁界のなかで電流が受ける力 | トップページ | 私も「自由研究」を… »

【授業】究極のクリップモーター

▼この実験を語りはじめてから、今年でちょうど20年になる。
20年前、私はこの実験に夢中になっていた。
それが「究極のクリップモーター」である。
中学理科教師としての30数年をふりかえってみて、
もっとも印象深い実験をひとつあげろといわれれば、まちがいなく
この「究極のクリップモーター」をあげるだろう。
今や、教科書にも定番として登場するようになった。
私が唯一オリジナルを主張できるかも知れない実験である。
でも、それは厳密に言えば、私の「発見」ではない。
授業のなかでの生徒の「発見」である。
元々、クリップモーターは、お気に入り「実験」として、授業で必ずやることにしていた。
それも、ひとり一台を製作するようにしていた。
一時間のなかで、全員が回るようになるには、いくつかの課題があった。
そのひとつが、クリップの台の問題、エナメルをはがして、クリップに接続するそこの接続の問題で手こずることがよくあった。
 それを一挙に解決する方法があった。
 それは、台にするもの(この当時は、発砲スチロールや大判にする消しゴムをよく使っていた)の準備を忘れてきたひとりの男子生徒の「発見」によってもたらされた。
 磁石は、電池にひっつくのである。
 電池自身を台にしてしまえば、上の問題は解決するのである。
よりシンプルになる。
「コロンブスの卵」である。
かくして、世界でもっともシンプルなモーター
『究極のクリップモーター』の登場である。
Dscf2720▼それから20年後の授業のなかでの「究極のクリップモーター」である。
やっぱり、同じである。
誰もが、夢中になってしまうのである。
最初に、「フレミング左手の法則」の確認を左手をだしてやってみる。
そして、その力を利用して回転するクリップモーターをつくります。
と説明をはじめる。
 つくりはじめたときは、少しどのように回転子をつくるのかというような質問もある。
しかし、やがて静寂。
そして、20分とたたないうちに声があがる。
『先生!! 回った 回ったで…』
それまで、やっぱりどこか、半信半疑でやっていた生徒も真剣さがましてくる。
あちらでも、こちらでも どんどん声があがりだす。
最初に回った生徒は、さらに高速回転をめざしはじめる。
授業のチャイムがなっても、なかなか終わろうとしない。
次は、もう少しだけ時間をとって、回転子の工夫にまで発展させたい。

 

|

« 【授業】磁界のなかで電流が受ける力 | トップページ | 私も「自由研究」を… »

コメント

こんにちは、ファラデーのことをちょっと調べていて、たしか「究極のクリップモーター」なんてのがどっかにあったな。と思ってたどりつきました。

たどりついたら、なんと楠田さんではないですか。
いや、発明者がここにいたとは、なんとも。

ところで、私は誤解をしていて、究極のクリップモーターは、台になるクリップと電池も、磁石で止めるのだと思っていました。実際、最近のネオジム磁石だと非常にきっちりと固定できます。

また、回転子もクリップで作るのだと勘違いしていました。うまくできれば、磁石3つ。クリップ3つ、電池でできるのですが、なかなかそうはいきませんね(゚ー゚)

私は手先が猛烈に不器用で、横着(発明した生徒よりもおそらくひどい)ですし、忘れ物も多いので、上でできればいいなーと強く思っております。でも、うまくいきません。

投稿: 渡部義弥 | 2011/09/25 14:06

渡部義弥さん
コメントありがとうございます。
いつもお世話になっています。渡部さんにこんなコメントもらうとうれしくなってしまいますね。

>また、回転子もクリップで作るのだと勘違いしていました。うまくできれば、磁石3つ。クリップ3つ、電池でできるのですが、なかなかそうはいきませんね(゚ー゚)

へー、そんなこと考えたことなかったです。
磁石なしは、イルカさんが考えておられますね。ひょっとしたらもっと「究極」があるかも知れないですね。
もっとすごい「コロンブスの卵」があるかも知れないですね。そんなの考えるのって面白いですよね。
私の場合は、今から考えるとほとんど授業のなかで生徒に教えてもらいました。

投稿: 楠田 純一 | 2011/09/25 18:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【授業】究極のクリップモーター:

« 【授業】磁界のなかで電流が受ける力 | トップページ | 私も「自由研究」を… »