【授業】電磁石-1
▼先週末から、ずっと気になっていることがある。
「授業」のことである。
【電流と磁界】のところで、「磁化」で先週は終わっていたのだけど、
どうも感触が捉えきれなかったのだ。
ふっきれないなにかがあった。
ちょっとネガティブな感情にもなっていた。
それが、授業にいい影響がなかったのである。
昨日は、ふっきれた。
教師とは、単純な生き物だ。
「授業」が面白ければ、元気になるのである。
▼【電流と磁界】4時間目の授業は「電磁石」である。
授業やりながら、自分自身が「感動」した。そうだ、ここが、この単元の山なんである。
ここまでの3時間で、「磁石」の学習をすすめてきた。
磁極、磁力、磁界、磁界の向き、地球磁石、磁石の正体(分子磁石)、鉄と磁石、磁化…と。
ここ来て、「電流」と出会うのである。
別々に学習をすすめてきた「磁石」と「電気」。
その不思議な関係の学習がはじまるのである。
電磁気学が、ここからはじまるのである。
▼まずは、「電磁石」を実験によって体験させる。
一種類の電磁石の実験器具が、班の数だけそろっていないので二種類で行う。
旧式のU字型電磁石タイプと単なる誘導コイルタイプのものである。
どちらも体験できるように、途中で班で交換して、両方のタイプでやるように指示する。
やることは、2つである。
(1) 電磁石をつくってみて、鉄がくっつけることができるかやってみよう。
スイッチをきってみよう。
(2) どんな磁界が出来ているか、方位磁針でたしかめてみよう。電流の流れを反対にしてやってみよう。
けっこう、楽しげにやっている。面白い。鉄をくっけたままもちあげて、スイッチをきると、みごとにポタリと鉄は落ちる。(このときの鉄は、ホッチキスの針とクリップ、このとき面白いことがあったが、次回に報告する)
これだけで、やってみると面白いのである。
方位磁針で、これまでの「磁石」と同じであること、電流の向きを逆にすれば、逆向きの磁界になる。
あたり前だけど、これもけっこう「感動」していた。
問題は、次である。
■ 鉄心をとってしまったとき、コイルだけで磁界はできるか。
<つづく>
今日の報告は、ここまでにしておく。もう一クラスで授業をやった後に報告する。
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コメント
こんばんは。ちょうど同じ所をやってます。私はほぼ教科書に沿ってますが、電流が磁界を発生させることを確認する実験の前に電磁石体験をさせます。電磁石は小学生の時に体験しているので、鉄心を入れないと磁石として機能しないことも知っていますし、淡々と作業をしていました。そこから電流は磁界を発生させることに持ってゆき、エナメル線で作ったコイルを使って磁界の観察をさせます。今日は実験装置を配置することで終わりました。明日は磁界の観察です。磁界の様子はデジカメで撮影して実験用プリントに貼りつけさせて、電流の方向と磁界の向きを考察させます。
投稿: sakamoto | 2008/06/24 22:05
おはようございます。阪本さん
同じところをやっておられるなんて、ありがたい
リアルタイムに学ぶことができる。
>時に体験しているので、鉄心を入れないと磁石として機能しないことも知っていますし、淡々と作業をしていました。
私は、一度はこの概念を崩したいのです。
「鉄心」がなくても「磁界」ができる。
「磁界」があるから「鉄が磁化」したのだ。
と考えさせ、
「電流」→「磁界」
「磁界」→「電流」
この不思議な関係に「感動」させたいんです。
どう考えたって不思議だもん。
投稿: 楠田純一 | 2008/06/25 04:45
おはようございます。
>私は、一度はこの概念を崩したいのです。
>「鉄心」がなくても「磁界」ができる。
>「磁界」があるから「鉄が磁化」したのだ。
まず磁界ありきですね。小学校ではコイルと鉄心をセットにして電磁石ができると教えているみたいで、その不思議さには触れていないみたいです。
>どう考えたって不思議だもん。
どこで仕入れた知識か忘れましたが、アインシュタイも子どもの頃磁石の不思議さに魅せられていたのだとか。私の理科室にはアルニコ磁石が4個ありますが、人気備品の一つです。授業が終わっると何人かがアルニコ磁石で遊んでいますが、同極どうしを近づけると、まるでバネのような感触が得られと言って愉しんでいる生徒がいました。
投稿: sakmaoto | 2008/06/25 06:44
おはようございます。阪本さん
【理科の部屋】がどんどん面白い展開になっていますね。
>まず磁界ありきですね。小学校ではコイルと鉄心をセット
そうですね。ここで、うんと強力な電磁石を見せておくと効果的ですかね。
そして発問する「鉄心がなくても磁界はできるか」と。
これをやったあと、付磁器をつかって、マグピストルの実験をやってみました。これは後日報告したいと思います。
>どこで仕入れた知識か忘れましたが、アインシュタイも子どもの頃磁石の不思議さに魅せられていたのだとか。
見えないのに力がはたらく、それは誰にとってもやっぱり不思議。
『磁力と重力の発見』をひっぱりだすまでもなく、物理学事始めであることはたしかですかね。
投稿: 楠田純一 | 2008/06/26 06:31