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ある若者との出会い

▼その若者は、約束どおり春分の日の昨日13時に学校にあらわれた。この若者は、前にこのblogにも書いたが、本校の卒業生Iの後輩である。大学の後輩でもあり、同時に職場でも後輩であり、部下であるという。経緯を繰り返すと、20年近く前の卒業生のIは、中学校時代に科学部に所属しており、部長をしていた。私は、そのときの顧問である。この度、教え子のIは、これまで勤務していた職場をかわることになった。ついては、これまで一緒に働いていたスタッフが、「送別会」をもようすことになった。そこで、Iのこれまで歩んできたなかで、思い出に残る人物に取材してビデオレターを制作して、それをプレゼントしようという企画である。その思い出に残る人物のひとりとして、私を選んでいただいということである。光栄である、教師冥利に尽きるというものである。
▼私は、この話を、Sさんからメールをいだいて聞いたとき、感動してしまった。2つのことでである。ひとつは、私をどのようにして、私を捜し出したかである。Iは今もときどき、後輩・同僚に、中学校時代にやった、「教室全体のピンホールカメラ」などの実験の話をするらしい。うれしい限りである。そこで、後輩のSさんは、それこそネットの時代である。ピンホールカメラ等の話をたよりに検索されたようだ、そして私のWebページ、blogをみつけられたようだ。そして「あなたが当事者ですか」というメールにいたったようである。Iに秘密裡にこおこなっておられたので、
名前では、Iのときどきの話だけがたよりだったようだ。Webの時代を象徴するような話だ。
▼もうひとつ感動することは、このSさんのことだ。名古屋から、ここまで時間をさいて、私を訪ねてきてくださったということについてである。それは、同時にSさんをして、そんな行動までとらせたIの構築してきたヒューマン・ネットワークのすばらしさに対しての感動であった。きっと、職場の人間関係を大切にしながら、仕事をすすめているからこそ、こんなプロジェクトがもちあがったものだろう。
▼現れた若者、Sさんは素晴らしい技術者であった。本来Iの中学校時代の思い出を語り、彼へのメッセージを語るのが、本意だったが、この素晴らしい若者との出会いに喜んでしまい、いつか自分のことばかりをしゃべってしまったような気がする。
 「頭骨標本づくり」の話からはじまり、「ピンホールカメラのこと」「ファラデーの『ロウソクの科学』のこと」「水から水素を取り出す実験」「ホームページのこと」「パソコン通信の話」「Web2.0時代のこと」「柳田國男のこと」「柳田邦夫のこと」等々、とどめなく脈略もなく私はしゃべりまくった。それをいやな顔もせず、聞いてくれるだけでなく、それに相づちを打ち、応答してくれるSさんは、すごかった。一時間半はまたたく間にたってしまっていた。
最後に、たまたまちょうどポケットに入っていた「非接触温度計」をとりだして、「最近はこんなことに凝っていると紹介しておいてください」と話をしたとき、つかさず「それ、私も使ったことあります」とおっしゃるのには驚嘆してしまった。学生時代に「鉄づくり」の研究をしたとき、融けた鉄の温度を測るのに使ったことがあるというのには驚くばかりであった。かつて科学館の学芸員をめざしたこともあるという。今度お会いするときには、Sさんの話をいっぱい聞きたいと思った。
▼とてもうれしい企画がきっかけの、この若き技術者Sさんとの出会いから、私は次世代を生きる若者のエネルギーをいっぱい「おすそ分け」してもらったような気がする。今日は、卒業生Iさんに、このプレゼント企画のお披露目があるという。
次代を生きる若者たちに幸あれ!!
( ^_^)/□☆□\(^_^ )カンパ-イ!
そして、ときどき私たちにも「おすそ分け」をください。

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コメント

こんばんは。良いお話のお裾分け、ありがとうございました。
ホントに教師冥利に尽きるできごとでしたね。楠田さんの蒔いた種のひとつが今まさに大きく実りましたね。お上から勲章をもらうより嬉しいでしょう。

投稿: sakamoto | 2008/03/21 23:02

阪本さん おはようございます。
さっそくありがとうございます。
この喜びを、阪本さんのようにわかってくださる人がいるというのも、喜びが何倍にも膨らみます。深謝<(_ _)>

投稿: 楠田純一 | 2008/03/22 05:21

おはようございます。私たち教師にとって教え子の成長が何よりの楽しみだし、また彼らが、自分の成長に私たちが関与していたことを意識してくれ感謝の気持ちを表してくれたなら、これほど幸せなことはないと思います。でも、大村はま先生の書物の中に『仏様が、ちょっと指で車に触れられました』の話がありますが、そうあるべきだと思います。

投稿: sakamoto | 2008/03/22 07:13

阪本さん おはようございます。
応答ありがとうございます。

>大村はま先生の書物の中に『仏様が、ちょっと指で車に触れられました』の話がありますが、そうあるべきだと思いま

この話よく知らないです。ぜひ、くわしく教えていただくとうれしいです。宜しくお願いします。

投稿: 楠田純一 | 2008/03/23 06:54

おはようございます。
「仏様の指」は↓に概略が書かれています。
http://www.kcv.ne.jp/~kasatana/vita2.htm
http://www.geocities.jp/tanbowaii/sougou-etc/s011.html
大村先生のご専門は国語ですが、教師としての基本的なあり方は見習うべき点が多々あると思っています。
私は大村先生の本は3冊しか持っていませんが、「教えるということ」(ちくま学芸文庫)、「灯し続けることば」(小学館)に載っている話です。

投稿: sakamoto | 2008/03/23 10:11

阪本さん おはようございます。
「仏さまの指」の話。おかげで読ませてもらいました。
教師の姿勢として、とても大切なことを示唆している話ですね。苅谷夫婦との共著『教えることの復権』にもありましたね。これって阪本さんの紹介くださった本でなかったかな。
いつもありがとうございます。

投稿: 楠田純一 | 2008/03/25 04:44

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