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高橋金三郎先生のこと

 高橋金三郎先生が生前に書かれたものなどを紹介する『まんさくの花通信』100号記念特集が、中村敏弘先生から送られてきた。今からゆっくり読ませてもらうところである。
 何度か、直接お会いしてお話を聞かせてもらうことができた。お便りで教えていただいたこともある。その偉大さに今さらのごとく感銘することしきりである。
 
 私にとっては、次なる文章がいちばん意味ある一文なのである。

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この理科通信サークルは次のような動機で始められました。

1.理科教育研究は現場の教師を主体にしなければならないが、教師は研究者
 として認められていないために、相互交流の機会が少ない。年一回の大会で
 は不十分である。

2.大会自体の運営がおかしく、現場の実践をおしすすめるためのきめこまか
 なものになっていない。もっとザックバランに何でも話し合えるサークル的
 雰囲気がほしい。

3.創造的な教育研究をやろうとすると、どうしてもひとりぼっちになるし、
 失敗も多くて、くじけてしまう。
 どこかで仲間が絶えずはげましていてほしい。

4.研究をそのまま発表するのでなく、それ以前にチェックされたり、援助さ
 れたりして、できるだけレベルの高いものにして発表したい。
 
  (中略)

 こうした事情を見聞するにつれ、どうにかして手軽な手段で最初に書いた願
いを満たすものをという気持ちが段々強くなりました。そして思いついたのが、
この通信サークルノートの回覧です。そのBack Groundには次のよ
うなことがありました。
1.東北大学で理科の通信教育に従事して非常に有益だったが、同時に受講者
間の交流がないために無駄な労力が払われた。
2.第一線の科学者は航空便や電話で国際的に日常の研究を交換している。学
会はその決算日にすぎない。現場の教師でも手紙を出す暇はあるだろう。
3.1:1の手紙の交換(ラブレター方式)は有効だし、これからもすすめら
れねばならないが、研究集団組織を強化していくためには、semi-pu
blicのノートの回覧の方が有効である。多くの変わった角度からの意見
が出る。
4.ひとつのサークルに沢山の人をいれていけば、その人が中心になって多く
のサークルができてくるだろう。
5.学生時代のクラブ活動で、部屋に厚いノートがあり、各人が勝手なことを
書いているうちに連帯感が強められたし、普通の勉強では得られぬ多くのこ
とを学習した。
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『中学理科サークル通信ノート1』(科教協東北地区協議会1966.3.31)より

何度読み返しても、ワクワクしてくるような文章である。
とても40年も前に書かれた文章とは信じがたい先駆的な文章である。
私は、この提唱・思念は、時空を超えて今も(「今こそ」と、言うべきか)
きわめて有効であると、そう思うのです。

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